光を照射すると、対象物質によって反射、吸収、屈折、散乱など様々な現象を生じます。私達は光の性質をフル活用して細胞や生体組織を観察する技術の開発を目指します。
一定波長の光を物質に照射すると、同じ波長のレイリー散乱光と、波長が少し変化したラマン散乱光が発生します。照射光からラマン散乱光への波長の変化は物質を構成する分子振動に依存するので、ラマン散乱光の分光分析によって観察対象を構成する分子が推定できます。この特性を利用して、ラマン散乱光の分光分析によって細胞ごとの特性を見分けたり、病気を診断する技術の開発を行っています。
特定の性質を持った物質に光を当てると、照射光の2倍の周波数の光が発生することがあります。これをSecond Harmonic Generation(SHG)と呼びます。生体ではコラーゲンからSHGが強く発生することが知られています。私達は様々な組織のSHGを観察することで、組織の線維化を特定し、線維化のメカニズムを研究しています。
光には電場と磁場があり、これらが周期的に変化します。この変化が特定の方向に限定されている光を偏光と呼びます。物質に偏光を照射して、透過した光の偏光の変化を調べることで、対象物質の様々な特性を知ることができます。私達は細胞や組織に偏光を照射することで、その特性を詳細に分析する光学観察技術を開発しています。
この他にも光学観察技術を高めて生命科学・医学に応用する様々な研究開発を行っています。
Collaborators(敬称略)
井上高教:大分大学理工学部 応用化学コース(教授)
吉井一倫:龍谷大学 先端理工学部(講師)
安倍正博:徳島大学医学部 血液・内分泌代謝内科学(教授)
三木浩和:同上(講師)
髙成啓介:愛知県がんセンター 形成外科(部長)
Support
アステラス製薬株式会社
株式会社ラムダビジョン
株式会社オーイーシー
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